杓子沢

先週に引き続き白馬の稜線へあがってきました。

メンバーはよねくんとの二人。予定していたjunくんは仕事になってしまい残念。
でもそれならばと2人の5年越しの目標、扚子を滑ることにしました。

6時…のつもりが7時前に出発。
先週は林道の途中から雪がつながっていたのに雪解けは進み、大雪渓に入ってからやっとスプリットボードを履くことができました。

そこからはスピードアップ!
と思いきや昨日の降雪のデブリやらなんやらで歩きにくく、思ったほどのスピードが出ません。幸いなのはこのデブリ達が柔らかいこと。昨日この辺は雪崩天国(地獄?)だったんだろうな〜と考えながら登りました。

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先週より劇的に雪が少なくなった…毎週感じてることなんですが特にこの一週間の変化は大きかったように感じます。特に先週スプリットを履いたまま乗り上げた岩室下部の雪解けは激しく斜度が増し早々にアイゼンに履き替えました。

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::目の前の人はソロのスキーヤー。この後白馬岳へ行った様子。

このピッチを抜けると斜度が緩くなり、まぶしく美しい新雪の斜面が広がっていました。アイゼンのまま足を入れると膝まで埋まる…。スキーシールの喰いもいいのでスプリットに履き替えピークに乗りあげることにします。

(先週スプリットで上がれた所を今週はアイゼンで…先週アイゼンで登った所を今週はスプリットで…状況によって真逆になる…この判断については経験が必要そうです)

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::ベテランスキーヤーのお手本のようなトレースに導かれて。

ところが最後の最後の急斜面のトラバースはスプリットボードにはかなり手厳しい横滑りするザラメで一歩一歩命がけ…とは言い過ぎですがそんな気持ちでした。でもブンリン[website]のスキーアイゼンの効きがよく無事乗り上げることができました。

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::慎重に。ゆっくりと。

最後のトラバースでかなり足を使ってしまったので風がしのげる場所で休憩。この先も雪深くて手強そうなのでしっかりと足を休めて再スタートです。

スプリットを履いて、手に持って、また履いて、そして背負って…

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またまた履いて…忙しいです。

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::珍しく自分の背中。silo40ってこんなにしっかりとした印象なのね。

最後の最後はスノーボード状態にして履いて滑り降り、杓子のコルに到着です。
このとき、よねくんの口から「スノーボーダーはスノーボードを履いている状態が一番安全」という名言が飛び出しました。なるほど、たしかに〜。

準備をしながら滑る場所を観察。
新雪だったり、雪崩れていたり…でも滑り出しがややノールになっているので全容は見えません。じっくり観察しながらクラックがないことを祈りました。

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滑りは自分から。雪崩れて汚れたザラメの部分は程よく滑り、新雪の部分は痛恨のブレーキングスノー。お願いだからこの時期の降雪は…。でもクラックがないので安心です。

途中の安全そうな場所で止まりカメラを構えてからよねくんがドロップ!
さすが滑りにくそうな場所もきれいなフォームで滑り抜けて行く。今季最後にこの姿が見れてよかった〜と思いながらシャッターを切りました。

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この後、落石・デブリをかわすことはできず板と心を痛めつけながらでも楽しく滑り、やや細くなる部分を抜け扚子沢下部をみると雪がつながっていませんでした。なのでアイゼンを履き左の尾根に登りあげました。このとき杓子のカッコいい姿を目に焼き付けるかのように何度も何度も振り返りながら歩みを進めました。

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その後はお約束の長走沢に滑り込み、上部は天国・下部は地獄を味わい、林道からは板を担いで歩き猿倉に戻りました。9時間の行程で疲れましたが、よねくんとの5年越しの目標を果たすことができ大満足で気分爽快です。
よねくん一緒してくれてありがとう!!

今季終盤のお山は二週連続で充実の内容でした。
シーズン中にご一緒してくださった皆さんありがとうございます。また来年も一緒に楽しめると幸せです。これからもよろしくお願いしますね〜。