横前倉山BC

今日はロングルート…いえ、それ以上にお勉強の日でした。

水曜チームの安全対策部長Gロボさんが勉強会を企画してくれました。講師はカナダで正式に認められているスプリットボードガイドの廣田勇介さん(以後、YSKさん)。YSKさんと水曜チームは皆よく知っている間柄です。
彼のこの数年間の冒険と挑戦を続ける姿を特別な感情をもって賞賛していましたが(憧れというほうがあってるかも)自分は全然会えるチャンスがなくて寂しく過ごしていたので今回のチャンスがとてもありがたくて嬉しくてしかたありませんでした。

朝、道の駅小谷で待ち合わせをしました。すると程なくYSKさん来てくれました。嬉しくてハグ。全然変わらないな〜と嬉しく感じながら以前から伝えたかった事を話し、お山の準備を始めました。するとすぐにISEさんが到着。二人の車をデポしてYSKさんの車で栂池に向いました。

久しぶりの再開で積もる話はいっぱい

途中、いろいろな話をしながら、今日の目的地を見上げながらの移動はワクワクを抑えるのに必死でした。それにしても横前倉山って国道から見てこんなにハッキリとした存在感ある山だったんですね。もうちょっと他の山々に埋もれているようなつもりでいました。

独特な存在感の横前倉山

栂池で皆と合流。メンバーは、イチロヲさん、ISEさん、Gロボさん、Araiさん、kuroi-さん、自分に講師のYSKさんです。ミーティングでYSKさんから「本日は道場へようこそ。道場…そう、道(tao)ですよ」と笑いをとった挨拶をしてくれたのですが、この時の説明の”道”の意味を後でより深く知ることになりました。他にも「私の講習を受けたからには皆さん生きて楽しみ続けてください。命を失うことだけは避けてくださいね」という心に響くメッセージもくれました。
そんな感じでリラックスさと真剣さを持ち合わせスタートです。

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道すがら色々なことを教えてくれます。また、メンバーも色々なことを質問しました。そんななか今回の講習で一番大きな内容はシール歩行するものとしてどういった歩き方をするかという「トレースファインディング ルートセッティング トラックセッティング」”道(tao)”を制すということでした。
少々大回りになっても、少々時間がかかっても、体力温存できて危険なところに近づかずに行動できる。尚且つ斜面の観察がたくさんできる、リスクを避け体を疲れさせない歩き方です。

ポイントは登る斜度を常に一定にすること、ジグを切る回数を最小限にすること。これに近い歩法は以前take(スキーヤー)から学んでいましたが、それ以上に微妙な斜度の変化を感じ取ってエリアを幅広く移動する歩法に目から鱗の体験。そんな方法のおかげでヒールリフターを使ったのは僅か1回のみでした。

登りながらハイバックが気になって仕方ありませんでしたw

身体観察面からのポイントは「筋肉より心拍を使う」です。
これは自転車に乗る人も意識していることですが、筋肉をを疲れさせると回復が難しいけど、心拍は休めば回復できるという人の身体の性質を利用しています。なのでロングルートでもシール歩行に関してはほとんど疲れを感じませんでした。これは驚き。

「疲れを感じない」と書いたものの、実際は暑さにやられてはいました。今日はお山では今季初のプラス気温。結果水が1Lでは足りず途中で何度も雪を入れ足しました。ここでYSKさんからのお勉強タイム。「”初”には気をつけろ」とのことでした。今日のように初めてのプラス気温とか、はじめての降雨とか、はじめての大降雪とか…etc…そういう時は何か大きな動きがある可能性が高いのでよくよく観察をして慎重にとのことでした。
ちなみに雪崩ネットワークで南向き斜面はmoderateの予報。斜面・斜度によってはちょっといやらしい時間帯があるので気をつけて行動しましょうとのことでした。

さて滑りですが、一昨日までの約一週間は目立った降雪がなかったこと、昨日の突然の降雪分も暑さのせいで良雪・底づきなしの軟雪はどこも期待できない状況でしたが、移動として滑った斜面から驚くほどによい状態の斜面を滑ることができました。

先ずはYSKさん。スプリットボーダーなのですが2本板での滑り。こんなふうに滑れるなんて…

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実はYSKさんはハードブーツ(TLT)のスプリットボーダーです。スキーモードで滑る時は踵を固定して滑ることができます。とはいえこんな滑りが出来るまでには結構な練習が必要と思います。今の自分には考えられません〜。

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続いてGロボさん。

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ISEさん。

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Araiさん。

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Kuroi-さん

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イチロヲさん

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皆いいスプレー上げてますね〜。自分は久しぶりのお山滑りでゲレンデ練習の10%も発揮できませんでしたw

その後は滑ったり歩いたりを続け

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池に滑り込み、その上を歩きコルを越え

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横前倉山ピークに到着です。

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なかなかスティープな斜面で皆湧きます。
滑る面は雪質をとって予定ルートを外れる形で真北へノーズを向けました。

この斜度になるとYSKさんもスノーボーダーになります。

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スプレーで姿が見えないISEさん。

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普段見られない山々と高度感が伝わるでしょうか?

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Gロボさんもスプレーで姿が半分見ませ〜ん!

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ピントがきていれば…ごめんなさい。攻め攻めのイチロヲさん。

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加速中のKuroi-さん。

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一段下でも攻め攻めのAraiさん。

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皆大満足です。

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でもその後は予定ルートを外れたつけを払わなくてはならず…

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なかなかのアドベンチャーを楽しみました。

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こんな状況も安全に前向きに楽しめる水曜チームが大好きです。皆さんありがとうございます!

今回アドベンチャーな中で数多くの勉強をさせてもらいました。YSKさんの伝えてくれたことを自分に染み込ませながらこれからも山に向かいたいと思います。

…といっても暫く滑れないかもしれません。
そんな状態ですがこれからもよろしくお願いします。

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コメント

コメント一覧 (4件)

  • 超ドMなルートでしたね~。
    ピークからのドロップは斜度・雪・景色ともにサイコーでした!
    帰りのヘッデン走行もシビれましたが(笑)

    YSKさんから教えてもらった「トレースファインディング」や沢山の事項は、自分の山に対する固定観念が変わるほど衝撃でした。これからその教えを精進いたします。

    またスプリットでこの思い出の「横前倉山」に行きましょう!

    PS.素晴らしい写真ありがとうございました!

  • いつもありがとうございます!
    本当にサイコーの一日でした。
    でも受け取ったことが意外に多くて消化するのに時間がかかりそうです。でもだからこそ面白く楽しいのだと思います。

    ISEさんにはお山のこと、家族とのバランスのことと助けてもらったり心を支えてもらってばかりです。
    また、暫くご一緒させてもらえる事が少なくなってしまいまそうですがこれからもよろしくお願いします。
    そしてまた横前倉山ご一緒させてください!
    もうちょっと役に立てる人に育つよう頑張ります〜。

    追記
    USK,YSKありがとうございます。

  • さすがメモまでとってるけあじさん、各要所をおさえてますね〜、素晴らしいです。
    自分はとにかく暑さにやられて勉強してる余裕ありませんでした、もうそろそろロングルートは引退かもw
    YSK君の話しでひとつだけ付け加えると、大局的なルートの選び方である「ルートファインディング」と、もう少し狭い範囲での「ルートセッティング」っていう言い方してましたね、どちらもシール登攀にとって非常に大切なことだと知りました。
    なんだかあとからあとから疲労汁が湧き出てきて、体調が絶不調です、もしかしてストーム拾った?

  • イチロヲさんお褒めの言葉ありがとうございます。
    でも、、、メモがどこかに…完全に意味なしw
    そして言葉間違ってたようですね^^;
    人間の性能の低さが伺えますw

    ルートファインディングに対して「トレースファインディング」だったような気になっていましたぁ。ご指摘ありがとうございます。

    イチロヲさんはまだまだ行けます!だって2日目もフル参加してたんですもん。きっと皆も引退は許してくれませんよ〜(笑)
    そしてインフルだけはもらってないことを祈ります。

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