10年目のTT

gentemstick TTを手にして10年が経ちました。
(本当は11年目だったのですが昨年ほぼ滑れなかったのでキリの良い数字に…笑)


’04-05の頃は信州の諏訪界隈で乗っている人がいないどころか知っている人さえ限られている…当時乗っていたFloater161Fでさえこの板なんか変と言われる…gentemstickはそんな存在でした。

TTに初めて乗ったのはナイターの圧雪コンディション。大きなサイドカーブと反発の弱さから鈍臭い・重たいという印象はありましたが「TTは難しい」「乗りこなせるまでに時間がかかる」という噂はなんだったんだろう?と思う程普通に乗れました。(今思うと本当は「乗れたと思っていました」が正解でした。当時の日記ではアレコレ”ぶって”書いていて読み返すとお恥ずかしい…)

初めて深雪で乗った時はノーズの浮き上がりに驚きつつ不安定さにも驚きました。特に荒れパウでの暴れっぷりといったら…そこにちょっと面白さを感じて乗り込んだのですが、TTの味と噂される部分に気付く?引き出す?理解する?ともかく楽しむことができず悔しい時間も過ごしました。

また八方尾根のような大きなバーンで大きなターンをするとただ雪の上をするすると滑り降りてしまいターンをしてるんだ!という足ごたえ(?)と言うのでしょうか、遠心力から発生する抵抗感が薄く”やってる感”が得られなかったことから全く乗らないシーズンもありました。

この頃はTTは面白くないと板のせいにしていましたが、今思うとエッジtoエッジの荒々しい未熟な滑りをしていて、観察・感じる力も足りなかったのでしょうね。
その後、盲信していたB社の板をベースに他ブランドの板にいくつも乗ることで板の動きや特性、雪面と接触する感覚等々解るようになってきました(そしてB社の板は全て里子に出してしまいました)。

TTを見直したのはとある春でした。深いコーンスノーとかでなくゲレンデの普通のシャバ雪だったのですが、ツルンツルンと驚くほどスムースに板が走り心躍りました。その感覚を翌シーズンの深雪で求めたところスムースでいてクイックな本当のTTの面白さに気付くことができました。

その後は圧雪した雪でもTTの味わいが解るようになりまた更に更に好きになっています。
この味わいは唯一無二のものと言っても言い過ぎではないと思います。なのでイチロヲさん、ISEさんをはじめとしたTT乗りの方と一緒に皆さんの滑りを見ながら話しながらじっくりと滑ってみたくてしょうがない、そんな10年目(本当は11年目…)を迎えています。


自分のTTは時間が経って僅かに反りが増えたような気がしますがまだまだ元気です。

時たま「もしスノーボードを1本に絞るとしたら」なんて意味のないことを考えます。その際にはリストに上がりにくい板ですが一生持ち続ける1本として末長く愛していきたいと思います。

※TTの私見的乗り味は下記の記事が伝わりやすいかもしれません
 >> King、TT、脱臼骨折

※スタンスやアングルについては下記をご覧ください。
 >> スタンス・アングル